第1回
初めてのヨーロッパ「リヨン」
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万希子 |
ついに開始〜。コラムのページ。
ここでは私のお気に入りのヨーロッパについて、アシスタントのスガちゃんと一緒に案内して行く予定です。
お気に入りの店、ヨーロッパの街、生活について話をしていくから、スガちゃんも付き合ってな〜。 |
スガちゃん |
うん…。付き合うのはいいけど「魔法の国へ」ってタイトルは何なん?
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万希子 |
私にとって、ヨーロッパは某テーマパークみたいに楽しく、特別な場所やねん。
生活してる時はそういう風に感じへんかったけど、離れて日本で生活してる今は憧れの「魔法の国」って感じなん。
だから、これを読んでくださった人も、ひと時憧れの世界を垣間見られるよう、そんなタイトルにしてみた。(笑)
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スガちゃん |
ふ〜ん…?
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万希子 |
変? でもいいのっ。散々悩んでこれにしたし。
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スガちゃん |
散々悩んでこれ? センスが…。
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万希子 |
いいの〜〜〜っ。とにかくやるっ。これで始めるっ。
一回目は研修先のドイツでもウイーンでもなく、ヨーロッパで初めて足を地に着けた「リヨン」です。
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スガちゃん |
リヨンって、フランスの?
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万希子 |
うん。パリからTGV(日本の新幹線みたいな特急列車)で二時間ほどの距離にある街。
フランス「食い倒れの街」と言われてて、辻調のフランス校があるところ。
ドイツに研修に出る為にヨーロッパに渡ったんやけど、学校に勤務してた私は、まずそのフランス校に行ってん。で、そこからフランス校勤務の職員にドイツまで連れて行って貰って、研修入りさせて貰ったという過保護ぶりで…。
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スガちゃん |
じゃあ、ドイツに行くのにわざわざフランスに入国したん?
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万希子 |
そう。フランス校に一週間か十日間程滞在して、その後ドイツに行ったから、初めてのヨーロッパは「リヨン」やねん。
同期のまっちゃんが当時フランス校勤務で、休日には街を案内して貰ったりした。
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スガちゃん |
じゃぁ、食べ物にはハズレは無かったと?
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万希子 |
うん。基本的に食いしん坊の私は、どこ行っても美味しいって言うてるけ ど…。
有名な三ツ星レストラン「ポール・ボキューズ」もリヨン郊外にあったりで、街のビストロ(食堂)とかも結構美味しいところが多い。
まあ、まっちゃんやフランス校勤務の職員が「美味しいお店」に連れて行ってくれたから外れが無かったんやと思うけど。
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スガちゃん |
で、お菓子はどんな感じなん?
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万希子 |
パリで近年見られるような「洒落た綺麗なお菓子」がフランス菓子やと思ってた私には一種カルチャーショックやった。
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スガちゃん |
カルチャーショックぅ??? そんなに驚くお菓子やったん?
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万希子 |
お菓子自体は知ってる物がほとんどやったけど、できあがりの状態が…良く言えば「おおらか」悪く言えば「雑」。
「こんなんで良いの?」って言うくらい美しくない。「辻の学生の方が上手いやん」って思うくらい。(苦笑)
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スガちゃん |
そ、それってどうなん〜?(苦笑)
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万希子 |
日本で知識として覚えた菓子や、パリの一流店しか知らんかったら「もっと綺麗に作りぃな」って思ったやろうけど、現地ではそれが当たり前。食べたら美味しいし、「雑さ」も味やと思えてくる。
「綺麗な菓子が美味しいとは限らない」と実感させて貰った、良い経験やった。
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スガちゃん |
ふーん…そうなんや。そんな中でもお気に入りの店とかはないの?
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万希子 |
勿論あるよ。リヨンでは高級店なんやけど、「ベルナション」って言うショコラティエ(チョコレート屋さん)はリヨンに行けば絶対に寄りたい店。
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スガちゃん |
チョコレート専門店? 菓子屋じゃなくて?
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万希子 |
うん。でも、お菓子も作ってるし、サロン(喫茶室)では軽食も食べられる。
チョコレートは豆を自家焙煎で作ってるから、かなり美味しい。
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スガちゃん |
豆からチョコ作りとは…めっちゃ美味しそう!
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万希子 |
私はかなり気に入ってるけど、少し酸味のあるチョコレート。日本人にはそれを嫌う人も居てるけど…。
出来上がりや店の雰囲気も、パリの高級ショコラティエに比べると「遅れてる」感じがするけど、私の中では味はピカイチ。オランジェート(オレンジの皮のシロップ煮にチョコレートをかけたもの)をパリのショコラティエ数件のものと食べ比べたけど、勝負にならんかった。
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スガちゃん |
「ベルナッション」の圧勝…って事?
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万希子 |
うん。他にもオレンジピールのケック(バターケーキ)も絶品でお気に入りやし、あぁ、今すぐにでも買いに行きたいくらいやわ〜。
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スガちゃん |
…きっと、放っとくと出てくる話は食べ物ネタが殆どやと思うので、違う話題をば。(笑)
それ以外で「リヨンの見どころ」は?
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万希子 |
旧市街(2)があるんやけど、そこが世界遺産に指定されてる!
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スガちゃん |
一体どんな街なん?
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万希子 |
ヨーロッパはどこもそうなんかも知れんけど、歴史的建造物や昔からの町並みをみんなで大切にしてる感じ。京都もそうかも知れんけど、一部分だけを守るんじゃなくて、街全体を昔のままの形で残そうとしてる。日本みたいに、一人の利益で奇抜なビルとか建てへんし。
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スガちゃん |
それは日本ではできる事じゃないよなぁ。
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万希子 |
その上の小高い丘に「フルビエール寺院 (1)」っていうのがあって、眺めが良かったな〜。
観光客も結構いたし。
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スガちゃん |
日本からの観光客にも会った?
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万希子 |
観光客じゃないけど、日本から音楽留学で来てる四十歳台の日本人女性に会った。
当時二十歳台前半やったけど、四十歳代の彼女から「人生まだまだこれから」という言葉を聞いて「はっ」とした。
二十歳代の私が「歳とったな〜」とか思ったりしてて、二十歳台後半になれば、何やるにしても手遅れと思ってたから、四十歳代の彼女が「自分の人生はこれから」と言ったのには一種のショックを受けた。何歳になっても、やる気で動けば何とかなることもある…と。
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スガちゃん |
観光地で偶然出会った日本人女性に感化された…と。
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万希子 |
うん。そんな感じかな。
当時は「私なんて彼女に比べるとまだ若いし頑張ろう」と思ったし、何歳になっても「私はこんな生き方がしたい」という目標を持っていたいな〜と思った。
「もう○○歳やし」という言い方は絶対したくないな〜と。
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スガちゃん |
パリで日本人に会っても、人生考えるほどの人には普通会わへんよな。
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万希子 |
そうかも。
偶然やとは思うけど、初めてのヨーロッパ「リヨン」は私にとって「やる気にさせる街」になった。
今は当時より日本人観光客も増えてると思うし、街も変わったと思うけど、パリにはない暖かみみたいなもんを感じたな〜。
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スガちゃん |
ふぅん…そうなんや。
自分にとっては怖い印象しかないフランスやけど、リヨンなら行ってもいい…か、なぁ…。
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万希子 |
歯切れ悪ぅ。(笑)
まぁともかく。しっかりお仕事して、ヨーロッパに行けるよう頑張ろうっ!
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スガちゃん |
その時は案内よろしくッス〜。
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万希子 |
フランス語解らんし、ハプニングは付きものという事でいいなら…。
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スガちゃん |
あぁ…また「すっとこどっこいエピソード」が増えるのか。去年の旅行でも…。
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万希子 |
あー!! それは言わんでもいい〜っ。
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スガちゃん |
みなさん、結構どんくさい「万希子センセのすっとこどっこいぶり」は後々暴露していくンで、是非ともお楽しみに。(笑)
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(万希子 |
あぁ、変な予告が付いちゃったよ…。)
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